『待つことで多くの気づきに出会う。ご利用者様が変わったのではなく私たちが変わった』~介護実技研修会より
現場ラウンド終了後、日中勤務を終えた地域介護事業者の皆様と、大堀先生の介護技術研修会で、さらにケア向上へのステップアップに取り組みました。
前半は、「関わること」、「待つこと」についてご講義をいただき、後半は、各事業所が交流しながら『動きだし』の考え方をふまえた実技をご指導いただきました。
関わりを持ち、ご利用者様の動きを待てるようになるころには、介護者の言葉遣いやふるまいが、だんだんていねいになってくると、先生はおっしゃいます。
「ご利用者様の動きが良くなってきた」、「利用者さんが変わってきた」
と、私たち介護者は感じます。
ですがそれは、ご利用者様が変わったように見えて、実は、私たちが変わった、私たちの関わり方が変わってきたところなのです。
私たちが、関わり方がより丁寧になることで、ご利用者様の身体状況を含め多くの気づきを持てるようになるのです。
私たち芳生苑、健楽苑の職員は、まだまだですが、前よりずっと落ち着いてゆっくりご利用者様と関われるようになり、気づけることが増えてきています。少しは変わったでしょうか?
~大堀先生の講義から~
なぜ、『動き出しはご本人から』なのか?
ご利用者様は、敏感に空気を感じています。
介護者の緊張感、自信のなさ、面倒くささ、
すべてが、ご利用者様に伝わり、鏡のように同じ反応をされるといいます。
介護者が、ご利用者様の能力を信用しないまま関わるため、ご利用者様は、それに合わせるしか選択肢がないのです。
私たちは、日常生活の中で、安心安全かを判断してから動き出していきます。
ご利用者様を必要以上に介助するということは、ご本人が安心・安全の確認ができないまま動く、動かす、恐ろしい体験をさせているということなのです。
私たちは、安心・安全のためにこそ、動きを邪魔することなく、ご本人の動き出しを尊重しなくてはならないと思います。
今回は、必要以上ではなく、本人を尊重する関わり方が大切であることを学びました。
地域介護事業者の皆さんは、ご自分の事業所でも『動き出し』の考え方に基づいてケアを進めていきたいと意欲的に研修を受講されていました。
ご利用者様、大堀先生、カイゴの仲間の皆さん、ありがとうございました。そして遅くまで大変お疲れ様でした。
次回実践ラウンドは、10月の予定です。
今回、先生にご指導いただいたところを振り返り、また一歩、ご利用者様への関わりを深めてまいります。皆様、またどうぞよろしくお願いいたします。